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タイでマッサージ屋を経営・起業はお勧めしない理由をウェブマーケティングの視点から解説

コロナの影響で、タイのマッサージ屋は壊滅状態。
そりゃ濃厚接触必須なんで、コロナ予防を考えたら、そもそもマッサージを受けないことが正解。
お店の立場でも、マッサージを強く宣伝できないでしょう。

僕はマッサージ屋は経営したことはありませんが、チャンスがあってもマッサージ屋はやらないと思います。
もちろん、マッサージ屋を経営して成功している人もいるでしょう。
けれど、たとえコロナ以前の活況に戻ったとしても、ビジネスとしては美味しくないビジネスといえます。

マッサージ屋の収益モデル

マッサージの基本的な単価は、

1時間あたり
・タイマッサージ 200〜300バーツ
・オイルマッサージ 300〜400バーツ

つまり、日本円で1000〜2000円の売上。
売上の上限は、席(マットレス)数と回転数で決まります。

たとえば、タイマッサージが5席、オイルマッサージが5席、1回転が1時間半とすると。
毎日10時間営業しているとしてみます。

1席あたり6回転くらい、合計10席、なので1日60人、12000〜24000バーツが最大売り上げ。
実際は、マッサージ師のローテーションもあるので、もう少し効率は悪くなるかもしれません。

月だと約360000〜720000バーツの売り上げがマックス。
日本円で約150〜250万円といったところでしょうか。

売上だけなら悪くないように見えますが、マッサージ師の給料があって、設備費や家賃などを推測すると、

マッサージ師の月収5000〜10000バーツ
家賃30000〜50000バーツ
設備費:不明だが諸経費30000〜50000バーツと考える

マッサージ師を全体で10人雇っていたとすると、費用の合計は、

110000〜150000バーツといったところ。

利益は最大で、220000〜610000バーツと一見悪くはなさそう。
ただし、消費税は売り上げの8%、利益から所得税20%は引かれるので、

大まかな消費税の支払いが、36000〜72000バーツ。
税引前の利益が、約17万〜53万バーツ。

税引20%後だと、約14万〜42万バーツ

といったところ。
売上マックスだと一見旨みがありそうなビジネスです。

ビジネスの強さは守りにある

最大収益が出せるなら、どんなビジネスをやってもそれなりに儲かります。
ただ、大切なことはそこではないです。
利益は未確定、確定しているのは月々の固定費。

想定以上に売上が伸びなくても、固定費は払い続けなければいけない。

つまり全く売上が上がらなくても、家賃は毎月出ていく。
ちなみに、月3万〜5万バーツで借りられるところで、お客さんの流れがあるところを見つけるのも事業者によって差の出る部分です。

マッサージ店ごとに差はつけられないので、最後は立地勝負になる。

マッサージ店の差別化はほぼ不可

あくまで健全なマッサージ店のみ話をしていますが、マッサージの質なんてマッサージ師によります。
マッサージ師が辞めることもあるので、マッサージの質で他の店よりも優位にはしにくいです。
また、マッサージのやり方もマッサージ師によってばらついているし、そもそもどういうマッサージが身体にいいのかも不明です。

ある主張によれば、むしろマッサージのしすぎは筋肉を痛めるので身体に悪いとも言われています。
マッサージを受けたけどもみ返しでむしろ調子悪くなることもありますし。

身体を温めることは、結構をよくして血液の循環をよくするので、身体にいいというのは東洋医学でもお墨付きです。
しかし、マッサージだと冷房の効いた部屋で、筋肉揉まれるだけなので身体にいいか不明。

むしろ温泉に入ったりして、身体を温める食べ物を食べた方がよくないと思うのは僕だけでしょうか?

つまり、マッサージというビジネス自体が、娯楽以上の価値は提供していないということです。
そのうえ他とマッサージの質に差がないとしたら、場所だけが唯一の競争優位になります。

ウェブマーケティングがかけにくい

中西はネットに詳しいんだから、なんとか売れるようにしろと思われるかもしれません。
しかし、ウェブマーケティングをかけたから売れるという時代はとっくの昔に終わっています。

今の30代以下の人たちは、子供のころからネットに触れて育ってきました。
ネットで情報発信をしたり、ソーシャルメディアを使いこなし、ネットでモノを売るのは当たりまえの世界。

だから、ネットでモノが売れるかどうかは商品力次第になります。
ネットの世界が普及したということは、顧客の間であらゆる情報が交換されるので、いいモノは勝手に広まりますし、よくないものはいくら頑張っても伸びません。

マッサージ屋のビジネスをネット販売っていうのが難しい。
出張マッサージという手はあるかもしれませんが、それなら出張マッサージのGrab版のようなアプリがタイ人の間で普及しつつあるので、マッサージ屋がマッサージ師を囲い込む必要性がなくなっています。

つまり、マッサージ師がネット上のプラットホームを使って、お客さんと直接やりとりしたほうが効率がいい。
それを既存の利益を守るために、囲い込みを行うのは時代の流れに反しているので、長い目でみると続かないでしょう。

ちなみに、ネットで広告をかけるのも単発マッサージだとかなり厳しいです。
まず広告をかけて集客したばあい、利益がプラスになる可能性が低い。
300バーツで新規獲得はかろうじてできるかもしれないけど。

まとめ買いクーポンなどで顧客のLTVを上げる導線をしておかないとコストが合わない。

マッサージ屋で集めたリストからビジネスを派生させる

マッサージ屋をやるときの弱点としては、物理的な制限が多いこと。
制限のある中で、固定費をカバーしていく必要があります。

理想は固定費をほぼかけないビジネスがいいのですが、マッサージ屋をはじめた時点で物理空間に縛られる。
バーチャルマッサージとかできないからね笑

1つの解決策としたら、マッサージ屋のお客さんの属性に合わせて物販を行うということ。
少なくとも、マッサージ屋という独自の集客経路があるのは優位性なので。

マッサージ屋と合う属性ってなんだろう。
女性なら美容系でしょうね。
化粧品、美容液、アロマオイル、エステ etc.

マッサージ屋に足を運ばないで、ホームケアができて、お店のことを思い出してもらうもの。
つまりマッサージ単体で伸ばすのは諦めて、別事業を行うという苦肉の策。

他には何か教えられるものがないかなと。
マッサージのやり方や、マッサージ屋の運営を教える、支援するビジネスとか。

やり方ありそうですが、ディープな内容になりそうなのでここでの深掘りはやめておきます。
「マッサージの必要性」をもっている人を見つけ、アプローチできるかが鍵になるでしょう。

個人的には、本質的にマッサージの必要性がないから、ビジネスとして厳しいというのが今の現状といったところです。
マッサージ自体に必要性がないにも関わらず、タイにはマッサージ店が大量にあるのか?

結局、性的なものが絡んでくるからと考えるのは僕だけでしょうか?